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そんな気分になってから、どれくらいの時間が経ったのでしょう?今更ながら耳を塞いでいたので、時間感覚が掴めません。
耳を塞いでいた手を退けると、聞こえていたブルーの悲鳴が聞こえなくなっていました。
それが良い事なのか、悪い事なのかは、状況が把握出来てないワタシには分からなかったのです。
「無事だよね…ブルー…」
不安な状況や心配な状況では、独り言が多くなると聞いた事がありましたが、本当だったみたいです…。
ブルーの事を想って思わず声が出てしまった時、『ガシャン!』と最早聞き慣れてしまった金属音が聞こえるのでした。
でも、今回はそれだけではなく、『ドサッ!』という何かを投げ入れるような音が続けて聞こえます。
その後にまた、『ガシャン!』という音があり、コツコツと歩き去って行くような音が遠ざかっていきました。
ちなみに、先程から『音』の表現しかないのは、ワタシが入り口側に背を向けて体育座りをしていたからなのでした。
ワタシは牢屋が閉まっている事を確認し(残念ながら閉め忘れをしているという事はなかったみたい)、『ドサッ!』と音がした場所に目を向けます。
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