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「っ!!」
ワタシは息を呑みました。そこには変わり果てた姿になったブルーがいたのです。
もともとぼろぼろだった病衣のような服は、さらに破けてブルーの白い素肌を露(アラ)わにしていました。
でも、そんな変化はまだまだかわいい物だといえます。何故なら、もっとはっきり目に映ってしまうような大きな変化があったのですから…。
その変化は『色』でした。ブルーが着ている服、そして今ブルーが横たわっているコンクリートの床一面が、赤一色に染まっていくのです。
「ごほっ!ごほっ!!…うぅ」
ワタシはその赤色を見た時、感覚が溢れ出てくるのを感じました。まず、出てきたのは嗅覚の刺激による咳(セキ)です。
漂う臭いは鉄のような臭い…。それが濃厚で思わず咽(ム)せてしまうワタシ。その臭いは連鎖的に吐き気を催(モヨオ)しますが、なんとか耐える事が出来ました。
その時のワタシは吐き気を気にする事よりも、ブルーの状態を確認する事が一番だと感じていたのです。
なので、すぐにブルーの下に駆け寄り仰向(アオム)けると、胸に耳を当てました。
…。
……。
………。
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