はじまりの追憶

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. 「はぃ…、すみません……。」 震える声でそう何とか返し、自分の席へと向かう。 ――身体の奥まで響くような、低い声。 温度を感じさせない、淡々とした口調。 総てが彼女を怯えさせる。 彼女の心を震わせる。 席に着くと同時に鐘が鳴り、彼女が座るのを見届けた教師が静かに視線を巡らせ。 唇を開く。 (……あぁ、初日でこんな醜態曝しちゃうなんて………。) (この男性(ひと)の前で。) 「今日から君達の担任になる。――高藤だ。一年宜しく頼む。」
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