【第二章】小さな変化

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ーー次の日の朝。 薄ピンクのコートの上に、昨日ハイスクールを休んで準備した、荷物を詰め込んだリュックを背負う。 そして、もうしばらくは帰れない自分の部屋に別れを告げ、ママの待つ玄関へと向かった。 「じゃ・・・行ってくるね!」 泣きそうな気持ちを抑え、明るく言ったつもりだったのだけれど、やっぱり少し声が上擦ってしまった。 ママは、そっと私を抱きしめると、 「行ってらっしゃい、気をつけて。ハイスクールには休学届を出しておくからね。心配しないで」 そんなママの手や肩も少し震えている。 私はママの手をそっと離すと、ドアを開けて歩き出した。 数歩踏み出した所で、私は振り返り、 「ねぇママ、パパはこうなる事を多分判っていたよね。何で戻って来た時に秘薬を持ってきてくれなかったのかな」 と、問い掛けた。 ママは小首を傾げ、クスッと笑うと、 「そうね、きっと・・・パパも成長したあなたに会いたかったからじゃないかしら?」 それを聞いた私はおもいっきり笑顔でママに手を振ると、また背を向けて歩き出した。
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