【第二章】小さな変化

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たった一つの心残りは、エリザにお別れが言えなかった事。 ま、いっか!また旅から帰ったら会えるし。それに・・・今会ったら・・・泣いちゃうかもしれないもん。 そんな事を考えながら歩いていたその時、 「マリカ!」 前方からきた人に声をかけられ顔を上げた。 「エリザ!」 その人物はエリザだった。 「昨日、マリカお休みしたでしょ?今日はどうかなぁと思って迎えに行く所だったのよ」 そう言いながら私の持っている荷物に気づくと、 「どこか出掛けるの?」 どうしよう・・・ 「う、うん、ちょっと離れて暮らすパパに会いに行くんだ・・・しばらくハイスクール休むからエリザにも会えないけれど・・・」 少し俯きながら答える。 エリザは一瞬悲しそうな顔になったけれど、すぐに笑顔になり、 「そう・・・でもパパに会えるのなら楽しみね!気をつけて行ってきて」 その言葉に私も涙を堪えながら笑顔で答える。 「うん!」 ハイスクール近くの別れ道までエリザと並んで歩き、そしてそこでエリザの姿が見えなくなるまで手を振り別れた私は、初めての一人旅へと向かった。 そして、この時は、 あんなトラブルに巻き込まれる事になるとは、夢にも思っていなかったのだった・・・
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