【第三章】国境の街ダイゴンド

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・ ・ ・ おじちゃん達の話を総合した結果、私が出した答えは、 『悪い人は・・・後ろで震えている美少年』 私は美少年の手を掴み前へと引きずり出し、おじちゃんの前へ押し出した。 「な、何ちゅるんでちゅか!鬼!人で無ち!」 顔を真っ青にした美少年が私に向かって叫ぶ。 人で無しって・・・ まあ、身体の半分はそうなんだけどね。 「お嬢ちゃんすまないね・・・さあ、やっと捕まえたぞ!」 おじちゃん達は、ジタバタと暴れる美少年の身体を素早くロープで縛り街道を歩き出した。 美少年はうるうるとした瞳で縋る(すがる)ようにこちらを振り返り見つめている。 段々姿が小さくなってきたけど、まだ見ている・・・ 見ている・・・ 見ている・・・ あーあ、もう! 「すいませーん!ちょっと待って下さい!」 私は走りながらおじちゃん達を呼び止めた。
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