【第三章】国境の街ダイゴンド

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助けてもらえると思ったのか、美少年は一瞬嬉しそうに顔をほころばせた。 だけど私の口から出た言葉は、 「すみません・・・なんかこの人、ずっとこっち見ててうっとうしいので、目隠しとかしてもらえますか?」 それを聞いた美少年は絶望したように、 「えぇぇ・・・」 と、小さく呟いた。 するとおじちゃんは、ズボンのポケットから覗いていた薄めのタオルを取り出し、美少年に巻いて目隠しをした。 「よし!お嬢ちゃんこれでどうだい?」 私が軽く頷くと、おじちゃんは再び歩きだした。 ・ ・ ・ 「あーあ、余計な事で時間取られちゃったなぁ」 おじちゃん達を見送った後、大きく伸びをしながらそう呟く。 そして、 「あ、いっけな~い!日が暮れる前に国境に着かないと!」 私は急ぎ足で、国境へと向かい歩きはじめた。
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