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彼らが今居るこの場所は、茶道部の部室だ。
こんな超弱小同好会に部室などある訳もない為、
『同じお茶関係とゆー事でっ!』
と、無茶苦茶な理由をつけて茶道部部長に頼み込み、部室の片隅を借りているのだ。
ちなみに、使用しているちゃぶ台は、学校から程近い雄二の家から、悟と二人で運び込んだ物で、意外と場所をとる為、茶道部員達にはとても迷惑がられている。
「あーあ、俺なんでこんな所に入っちゃったんだろ・・・」
悟はぽつりと呟いた。
元々、雄二と幼稚園からの幼なじみだった悟は、半ば強引に入部させられたのだ。
「だいたいさ、ただウーロン茶を飲み続けるだけって、何の意味も無くね?」
それを聞いた雄二はちゃぶ台をひっくり返さんばかりの勢いで立ち上がると、腕を組み、悟を見下ろしながらこういい放った。
「意味がないとは何だ!ウーロン茶はな、ウーロン茶にはなあ・・・存在自体に意味があるんだよ!」
ウーロン茶を二度繰り返す雄二。そこには、並々ならないウーロン茶への愛が感じられる。
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