事実は小説よりも奇なり

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リョウタ君の家からしばらく歩いてると、 「おい! 待てって! シュン!」 おれは素直に止まると 腕を掴まれた、 「シュン・・・ 話ししよう」 してやろーじゃん、 『あはーごめんね? 邪魔して! 悪かったって リョウタ君・・・』 「っ・・・・・ ごめんな・・・・ マジ好きなのはシュンだけなんだよ! だからっ! もう・・・・しねぇから・・・」 おれはゆっくりと 掴まれてる手を放して 言った、 『おれね? リョウタ君の事が・・・ あの一瞬で嫌いになった、 でもさよくよく考えるとさ ホラッ! おれって男じゃん? リョウタ君の将来考えたらさ、やっぱり女の人がいいよ! 子供・・・おれは産めないし・・・』 「嫌だ! たしかに俺達は男同士だ! けど・・・! 本気でシュンが好きなんだよ! 言い訳もしねぇ! 殴りたいなら殴っていい! もう・・・何もいらねぇから・・・ ただシュンが隣で笑ってるだけでいいんだ・・・・ シュン・・・別れるなんて・・・ 言わないでくれ・・・・」 おれは今、 確かに幸せを感じた たとえ嘘でも、 『ねぇリョウタ・・・ ごめんね?』 リョウタは目を見開いた、 『おれ・・・・・ リョウタと別れる』 人間が絶望を感じた時の顔を初めて見た、 「嘘だろ・・・・ あはは・・・シュン!」 リョウタはおれの肩を掴んできたが おれは払いのけた、 『終わり! じゃあ、今から・・・・ 友達に戻るんだよ? ちゃんとおれは リョウタの最後の望みを叶えるよ? おれは友達として リョウタの隣で笑っていてあげるから・・・・ じゃあ! またね!!』 走った、 走って走って走って 最後のリョウタの言葉は 嬉しすぎた。
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