彼岸花

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廊下を静かに歩く、 この城はあちこちに 思い出がありすぎる、 うつむきながら 貴男の背中について行く、 月が綺麗過ぎる。 部屋に着き オレはうつむきながら 貴男を見送った、 貴男はオレを見てくれた けれど目は合わせられなかった、 貴男が部屋に入ってから 少したった時、 凄く長く感じる、 殿方・・・・ いや、ヤコスケ・・・ オレは寂しいよ・・・ オレはあまりの胸の苦しみに 逃げてしまった、 涙が溢れ、 がむしゃらに走り続けた、 涙のせいで前が見えず 誰かにぶつかってしまった、 『すいません・・・』 そこで泣き崩れ 身体が倒れる時に 誰かに支えられた、 「辛かったな・・・・」 その声は渋く、 優しさに溢れた声、 相手が誰であるかなんて、 声だけでわかる 『ユキノ・・・・』
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