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今日は大好きだった人が仕事で忙しく帰りが遅くなるらしい、 あれから、僕が帰ってきても 知らない人が鳴いてる事は無かった、 だけどやっぱり 気持ち悪い。 見つけてしまった ゴミ箱の中にあったゴム、 それと、 僕への怨みなのか 洗面所には練り香水、 大好きだった人は 気づかないんだろう、 僕はこの匂いが嫌いなんだ。 それでもアンタはこれが 僕のだと思い込むんだろ? 家中を掃除した、 どこに何があるかも ノートに書いた、 晩御飯は作った、 アンタが好きな物ばかり。 そして、自分の荷物を鞄に 詰め込んで、 準備万端、 最後に誕生日に貰ったピアスと合い鍵を リビングのテーブルに置いて 玄関前に立つ。 携帯が鳴った、 メールを見ると 『 もう少しで家につくからね ヾ(^▽^)ノ 』 の文字、 僕は鞄を持ち 玄関を出た、 そして歩きだす もう二度と帰ってくる事のない家を背中に。
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