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「……ごめん。もう、大丈夫」
「だから程々にしておきなさいとあれ程言ったでしょう。菊乃さんは食べ過ぎですよ」
吐き気が引いていくのを感じて顔を上げれば、清吾さんが呆れたように言う。
すごく身に覚えがあるから、返す言葉もない。
と言うのも、今日は久々に仕事帰りにデートをする事になったものだから、調子に乗って夕飯を食べ過ぎたのだ。
「今日はもう寝ましょうか」
溜め息混じりにそう言って、清吾さんは立ち上がった。
「……ごめんね」
自分でも呆れちゃうんだから、清吾さんはもっと呆れているに違いない。
そう思ったら情けなくて、消え入りそうな声で呟いた。
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