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「なあに、菊乃。あんた、またそれだけしか食べないの?」
お昼休み。
みちるさんが私のお膳を覗いて呆れたように声を上げた。
「この前食べ過ぎてからずっと、胃の調子が良くないんだよね。体もだるいし、風邪でも引いたのかなぁ」
味気ないサラダを見つめて溜め息を漏らす。
食べたいという気持ちはあるのに、いざ食べ物を前にすると吐き気をもよおして、胃が受け付けない感じ。
もうこんな状態が何日も続いて、そろそろサラダにも飽きてきた。
「三十路に差し掛かって、疲れもなかなか取れないし、風邪も治りにくくなったのかなぁ」
「なんでもかんでも三十路のせいにするんじゃないわよ」
ぼやく私をみちるさんがそう窘める。
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