悪夢の始まり

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  きっかけは、つい3日前のことだ。 「だーかーらー、お見合いなんてする気ないから!もうお見合い写真ばっかり送ってこないでっ!!」 もう何通目になるだろうか。 両親から3日に一度は送られてくる見合い写真。 しかも相手は、写真に収まりきらないような巨体の持ち主だったり、どう少なく見積もったって明らかに父より年上の人だったり、母親と恋人気取りで指を絡め、手を繋いで写っている人だったり。 こんなに個性的な人ばかり、一体どこから探してくるのかと、ある意味感心してしまう程のラインナップ。 それでこそ最初の頃は、物珍しさに楽しんで見ていた。 けれど、部屋の一角にどんどん出来上がっていく異色な人物辞典にいい加減うんざりした私は、母に電話をかけたのだった。  
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