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そう促すと
聖は未だ湯気の立ちこめる器と水の入ったコップが乗っているお盆を
ベッドの側に置いている棚の上に置き、
静かに、僕の隣に腰を下ろした。
『もー…
本当に世話の焼ける子だわ。』
そうおちゃらけながら僕は
今にも泣いてしまいそうな聖の肩を引き寄せ
背に腕を回し
抱きしめた。
「…瑠衣どうして…っ
どうして、俺なんかに優しくするんだよっ…。
俺は瑠衣を裏切ったんだぞ…なのに…」
胸に顔を埋める聖の声が僕の胸を悲痛な刃となり突き刺してゆく。
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