花曇り

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あの日、僕は仕事で一つの大きなプロジェクトを終わらせ終電に乗って新宿駅に着いた。 周りにはもう終電が終わったというのに人が沢山いた 『そうか、今日はクリスマスか。』 ここ数日、家にも帰らず会社に引き篭りプロジェクトを成功させることだけを考えていた。 だからか今日が聖なる夜だってことを忘れていた。 西口でタクシーに乗って帰ろうと思ったがタクシー乗り場にはかなり長い列が出来ていた。 今日は諦めて歩いて帰ろう 吐く息が白かった、 雪が降るようなそんな予感がした。 西口を出て暫く歩いた時、やはり雪が降り出した大きな粒で。 『これは積もるかもしれないな、どこかで弱くなるまで…』 ふと眼前にコンビニの看板が見えた。 『雪がしのげれば』 入るとそこは温かさで満ちていた。 店内には客はいなかった 何か懐かしい、雰囲気が懐かしいのではなかった。 店内の有線らしいものから流れてくる歌が懐かしさを齎しているのに気がつくのに時間はかからなかった。 それは僕が中学の頃にヒットした歌だった 『もしもあの頃に戻れたら、そしたら僕はきっと…』
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