花曇り

4/5
前へ
/8ページ
次へ
その頃の僕は昨日と今日と明日の事だけ考えていた。 5年後や10年後の事なんてちっとも考えもしなかった。 本当は進路を考えなければならない中学3年の春になっていた、周りの友達はみんな僕から見たらしっかり者だった。 僕は成績はいつも下から数えたほうが早かったし運動は何をやっても下手だった。 そんな子だから親は心配した、クラスに馴染めないのではないか、友達も出来ず虐められるのではないかと。 でも僕は微塵もそんなことは心配していなかった。 友達は多ければ良いってもんじゃないって思っていたし、学校で教わることよりも何かもっと大切なものがこの世界には秘められている。そんな気がした。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加