819人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
いつも通り遅刻して
3Dの教室は向かっていると
不快な合唱が聞こえた
「チョッコレート♪
チョッコレート♪
チョコレートが欲・し・い~♪」
ガラッと扉を開けると
馬鹿共の集まり。
「お、竜おはよ」
「…なんだよこれ」
俺は指揮者を務める(?)隼人に
声をかけて机に座る
隼人は馬鹿みたいに
弾んだ声で聞いてきた
「今日はなんの日~?」
「2月14日?」
「バレンタインデーに決まってるっしょ」
「あぁ…くだらねー」
「下らなくねーし!
男にとっちゃ最大級のイベントじゃん!」
「ふーん」
隼人は指揮者をやめて
俺の真っ正面にしゃがみこんだ
「ん?」
「…竜は…その……」
「…なに」
「チョコとか「ない」
なんで男の俺がチョコを
持ってこなきゃいけないんだ
「じゃ、じゃあ、チョコもらった?」
「今のところは…7個」
「………………」
隼人は俺の言葉に落ち込んだらしく
黙ってうつむいたまま教室を出て行った
「?」
_
最初のコメントを投稿しよう!