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「りゅう~」
間抜けな声で俺を呼ぶ男、"矢吹 隼人"はニタニタと不気味な笑みを浮かべながら俺に近づいてくる。
「今日だりぃから屋上行きましょ♪」
「またヤンクミに怒鳴られっぞ」
「別にそんくらいどうってことないっしょ。」
「いっつも説教されてからキレてる奴はどこのどいつだよ」
「わかんなーい。つーか、竜と一緒にいる為ならどんだけ怒鳴られても平気だしっ」
軽々しくキザな台詞を並べられるな、と思いながらも顔を真っ赤にさせて照れている俺はなんて阿呆なのだろう。
「わかったよ」
隼人の言葉のせいで、つい承諾してしまった。
ヤンクミに「お前しか隼人を注意できる人間はいないから、どうにかサボりを阻止してくれ」と言われていたのに。
役立たずだな、俺。
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