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結局、そのあとは典型的な例により、転校してきたばかりの間路という少女が教科書の類いを持ってきていなかったので、俺がそれらを見せることになった。
授業が始まると、間路の隣の席である俺は間路の机に自分の机をくっつけ、間路にも見えるように教科書を広げた。
今日は午前中で授業は終わり、明日からは平常通り、午後の授業もある。
浩樹や佳介は遊びに行くらしいが、俺は転校生の世話係を押しつけられたので、あいつらの誘いは断り、間路にこの学校の行事や案内、生徒会の仕組み、それらと雑談を交えながら、放課後をすごすことになった。
一通りの説明を終えた俺は、間路になぜ今日転校してきた理由を聞いた。
教科書も持ってこないで何をしに今日、学校に来たんだと思ったら、ちょうど今朝、この土地にやってきて、そのまま学校に来たらしい。
本当は俺たちと同じように昨日の始業式に出るつもりだったが、親の仕事上の関係で遅れてしまったそうだ。
そのときは慌ただしかったこともあり、授業を進める上で必要な教科書や資料を買いに行くこともできず、今日は最初から誰かに見せてもらう予定だったらしい。
「今日はごめんね、えーっと……」
そういえば、まだ俺の名前を言っていなかった。
「俺は上坂 欠徒だ。よろしくな、間路」
「うん、よろしくね、上坂君」
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