――第1話――

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美波 「良かったあ、他にも女子が居て!席、特に決まって無いから、適当に座って良いって。」   瑞希 「はい、有難うございます。…――それじゃあ…、其処、空いてますか?」 【明久の横の席を指差し】   明久 「え?うん。どうぞー。 …そっか、姫路さんもFクラスなんだ…。」   瑞希 「宜しくお願いしますね!吉井く―― こほっ…こほ…!」   明久 「まだ、体調良くないの…?」   瑞希 「ええ、少し…。」 【苦笑しながら】     雄二 「隙間風の入る教室、薄っぺらい座布団、カビと埃の舞う古びた畳、病み上がりには良い環境じゃないよな。」   明久 「…………。」 【何か思い付いた様に】        ―チャイムの音―       瑞希 「けほっ…!けほ、けほ…!!」 【床を掃いて出た埃に、咳き込み】   明久 「……―――― …。」 【其れを見ながら、考える様な息】           ― 廊下 ―       雄二 「…で、何の用だ?」   明久 「――僕は思うんだよ。学校というのは社会の縮図だろ?こんな差別の様なクラス格差が有るべきじゃない。   でも最下位の僕達が何を言っても、負け犬の遠吠えにしかならないから、正々堂々と勝負を挑んで、実力と発言権を得た上でこの疑問を世の中にs」   雄二 「つまりお前は、姫路の為にクラスの設備を良くしたいわけだ。」   明久 「恥ずかしいから遠回りに言ってるのに、何で直球に云い直すんだよ!?」   雄二 「良いだろう。実は俺も、仕掛けてみたいと思ってたんだ。」   明久 「えっ、雄二も?」   雄二 「ああ。世の中、学力だけが全てじゃないって証明してみたくてな。   ―――其れに、勝算はある。」   明久 「…ッ、」   雄二 「やってみるか?明久。」   明久 「ああ!やろう!試験召喚戦争を!」  
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