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「余計なことねー」 ましろはポケットからタバコの箱を取り出す。開けて、中を覗き込むだけで、すぐまたポケットにしまった。 「余計なことね……」 復唱し、今度は黙る。 相変わらず、何を考えているのかはわからない。 私はペタリと、床に腰をおろした。疲労が酷い。緊張で身体中の筋肉に違和感が走っている。 顔だけを上げてましろに尋ねる。 「あんたさ……何なの?すごい、意味がわかんない」 意味はわからないが、別段嫌な気はしない。 芭蕉に似た雰囲気。 憎めないその原因は、おそらく、芭蕉と同じで察しがいいから。 私の本性を知っても、こうやって、平然としてくれているから。
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