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「いった……ひど」 ましろはあまり痛くなさそうに、ふざけた調子で呟く。思いっきり殴った。それなりに痛いはずだ。表情に出ないタイプなのかもしれないが、驚きを感じなかったのは確かだ。 勢いでましろが座っていた机は倒れた。でも、ましろは倒れなかった。机を倒すことで上手く着地していた。 「…………なんなんだよおまえ。何がしたいんだよ」 私はましろを睨む。口の中は苦い。口を動かすと痛い。 「何がしたい?何も?ただ、誤解を解きたかっただけだよ。つぼみんが最悪な人だって思われたらかわいそうだから」
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