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「ほっとけよ!誤解なんかない!」
「誤解じゃなかったら嘘があったよ。つぼみんは、友達に嘘をついた。自分が最悪だと思われようと、嘘をついた」
ましろは平然と言う。頬が赤くなって、唇は切れているらしく、赤が滲んでいた。
「ほっとけよ。おまえに関係ないだろ」
「あるよ。友達なんだから」
「おまえなんか友達じゃない」
「ありゃりゃーだ。片想い発生だー」
ましろは笑う。
私は目茶苦茶になってしまった気持ちを冷静に持って行こうとする。怒りを抑える。駄目だ、ましろはおかしい。まともに相手してはいけない。
芭蕉と接しているときみたいだ。自分の位置がわからなくなる錯覚に陥る。
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