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いつからだったか、人と喋るのにも連絡をするのも億劫になっていた。 思い返せど、その起点というものが見つからずにいた。 ただ、分かっていたのは『億劫』ではなく、ただ単に『面倒臭い』になっていた。 土曜日の朝なのに、時計を見れば、まだ9時前。 ただ、彼からすれば寝ているのも面倒臭かったのかもしれない。 彼の名前は流那(ルナ)。年齢は22歳。割と小柄な方で名前だけで判断すれば女性と勘違いされる事も多々あった。 名前は両親いわく月から由来するらしく、一度だけ『だったら月でもよかったのでは?』と聞いたら、両親は『それだとあの漫画と被っちゃうでしょ?』と返答が返ってきた。     ぱっと見は男らしくもないが女々しくもない。 視力はあからさまに悪すぎるらしく、眼鏡は必需品。
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