35人が本棚に入れています
本棚に追加
「基地の前で、君が倒れてるのを
崚行が見つけてくれたんだよ?」
2人の中でも、比較的長髪の男の子が
そう言って微笑みかけてきた。
…基地?
「こ、ここは…どこ?」
「ここは、天メン特殊部隊基地の医務室さ。」
「天メン?」
「ま、そこは気にしないで。僕は木村遼。で、そっちが…」
─「長江崚行、やで!」
「…りょう、き…?」
「そっ!」
無邪気に笑う、崚行。
その表情に、少し安心感を覚えた。
「で、君の名前は?」
「ぼ、僕は…」
言おうとしたけど、
その前に思い出してしまった…
さっきまでの路地裏での出来事を…
「僕、死んじゃったんだ…」
「…え?」
「そうだ…僕はトラックにぶつかって、
友達が苛められてて、
でも僕、逃げちゃったんだっ…
僕に勇気が無かったから…!」
涙がこみ上げてくる。
友達を助けたい…
助けたかったのに…
───僕に勇気さえあれば……
「きっと今もまだあいつらに苛められて…っ」
「どういうこと?君はまだ生きてるで?」
「ここへ来る前に色々なことがあったんだね…」
「…僕らでよかったら話してみ?」
「う、うん…」
最初のコメントを投稿しよう!