迷路の中へ

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何かさ。女って怖いって感じちゃうよな。 特に最近の俺なんかは、どういう訳だか……。 幸子に春菜。佐藤。 そして、桜。 あぁ。洋子ちゃんの怖さにも触れたな……。 桜の後ろについて、部屋の中に入ってハッとする。 許可下りてないのに、勝手に入ってるよ。俺ってば。 桜はそんな事を気にもせず、買って来た酒を、次々と冷蔵庫に入れていた。 「座ったらどうですか?」 つっ立ったままの俺に、ソファを指差し言う。 「はぁ……」 気の抜けた返事は、静かな部屋でも十分聞こえた。 さぁ。どこから聞こう。 何を話そう。 どう……しよう。 勢いだけの行動を後悔しつつ、カバンを抱き締めソファで待機。 「どうぞ」 俺の前に、ビールが置かれた。それに、煮物と漬物。 珍味が数種。 「はい……。いただきます」 とりあえず、帰るのもおかしいし、ビールが出てきたから。 プシュッ。 プシュッ。 二人でビールを開け、意味無く乾杯をした。 「何の乾杯なんでしょうかね」 桜は笑いながら、ビールをひとく………ち。じゃない! すべて飲んでしまうんじゃないかってぐらい、勢いよく飲み出した。
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