迷路の中へ

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「え……。…そ、そうですよね!私のせいなんて……付き合ってるわけでも……」 更に顔を真っ赤にして、しどろもどろになっている。 なんだかな。 少し俺に似てるじゃないか。 「俺、若くない。オヤジだぞ?」 一番聞きたかった事を、聞いてやった。 「好きになるのに、歳なんて関係ないです。私は……桜井さんだから好きなんです」 やめてくれ~。 恋愛ブランクのある俺は、そこらの童貞並の反応しかできない。 きっと、俺の顔も真っ赤だろう。 しばしの沈黙。 桜は下を向いて、顔を隠している。 そんな桜が突然立ち上がり、スタンドライトをつけ、部屋の明かりを消した。 ちょっ……! そんなっ!気が早い! まだ……こう……。 愛を語り合ってだな、何度かデートを重ねて……。 それからでも、遅くはないぞ! 桜は振り返り 「顔……見えると恥ずかしいから……」 えぇ!? 最近の若い娘ったら、こんなに積極的なわけ?これが普通なのか? 心の準備、男にも必要なんだぞ?男だって、女を抱くときは緊張するんだよ。 それが……いきなりこんなだと、戸惑いと期待で胸がいっぱいになるだろが!
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