2018人が本棚に入れています
本棚に追加
「……………」
佐藤を振り切った3日後。
何故か弁当を作って来た佐藤。
困るからと、逃げた。
今日まで、うまく逃げたと思う。
前回の弁当、どんなモノか知らないが……。絶対、パワーアップしてる気がする。
桜でんぷで、ハートが描かれてるなんて……。初めて現物を見たな。
俺さ。桜でんぷ苦手なんだよ。ごはんに甘いのが乗るの、おかしいよな……。
「!」
いいヤツ発見!
「田中!ちょっと来い!」
田中を召喚し、俺の隣に座らせた。
「これ、佐藤が作ったんだと。彼氏に食わせるのに、その実験台に選ばれたんだが……。俺はもう腹がいっぱいだ」
胸もいっぱい。
「お前が食ってみろ。……お!こんな時間か!ちょっと用事があるから、行くから。田中。よろしくな!」
そこまで一気に喋り、現状を把握できていない2人を残し、足早にその場を後にした。
やれやれだな。
まぁ、用事があるのは嘘ではないし。
中抜けの報告をして、さっさと会社を出る事にした。ついでに得意先に顔を出して、そのまま帰るかな。
「どうだ?近くに来たか?」
会社を出て、すぐに電話をかける。相手は愛娘の春菜だ。
最初のコメントを投稿しよう!