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結局昨日は、ソファで隣に座り、たまに触れる腕や肩にドキドキしてしまい。
何もできなかった!
「桜井さん。何、ボーッとしてんすか!恋ですか?こ・い!」
会議の終わった会議室。
もう誰も居なくて、いつの間にか、俺一人で会議をしていたようだ。
「違うよ」
笑ってあしらう。
そういや、こうして八嶋と2人で話をするの、久しぶりかもしれない。
洋子ちゃんの涙が、フッと頭に浮かぶ。
うまくいってるんだろうか。
「最近、洋子ちゃんに会ってないな。また3人で飲みに行こう」
いきなり、不自然だったかな。
「あ……っと。洋子と、距離置くことになって……。全然会ってないんすよね……」
八嶋はバツが悪そうに、頭を掻いた。
「いきなり、『頭冷やしたいから、しばらく連絡しない』って言われちゃって」
そうか……。
相当、辛いんだろう。
当の八嶋は、まったくわかっていないのが、さらに悲しくさせる。
「ここでしたか!桜井さん!」
少し重い空気に不釣り合いな、田中の元気な声が飛込む。
何だよ。
これから、八嶋にお仕置きしようと思ったのに。
「リ、リアルで、人を好きになったかもしれません!」
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