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目に入った、冷蔵庫のホワイトボード。
『お友達と食事に行ってきます。急な誘いだったので、夕飯は作れませんでした。春菜はお友達の家に泊まるので、今日はいませんから』
おいおい。
携帯に電話をするか、メールでも入れてくれよ。
帰って来てしまったら、弁当を買いに行くのもおっくうだ。
俺はとりあえず風呂に入って、それから飯について考えようと風呂場に向かう。
服を脱ぎ捨て、さて……と湯船をみてがっかりする。
お湯がない。
仕方なくシャワーを捻り、ぬるめのお湯を頭から受けた。
桜……さんとの会話を思い出していた。スッと心が軽くなった。
「こんな日は、あいつらがいない方がありがたいな」
風呂場に響く、俺の華麗な鼻唄。それは、レコード大賞も取れそうな勢いだ。
そう言えば、食事の約束をしたんだった。未定な予定の約束で。
シャンプーを流すため、下を向いた。流れる泡と一緒に目に入ったのは……
たぬきのような、俺の腹。
俺は、こんな体型で、あの娘をエスコートするのか?
例え父親に見えようと、これじゃ、桜が恥をかくじゃないか。
「ダイエットだ!」
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