中年☆Revolution

これが日常

何だかんだで、結構な小遣いになってしまった。

俺はコンビニのATMに寄り、勝った分をヘソクリ専用口座にぶち込んでやる。

この口座は、幸子にはシークレット。
俺の細やかな楽しみ。
こうやって手にしたあぶく銭や、余った小遣いをチマチマ貯める事。

またフラフラ歩きながら、暗い道を家路につく。
いつからだろうな。家族の中で、自分が『邪魔』な存在になったのは。

「ただいま」

そう言って玄関を開けても、新婚時代のように迎えに出てくる事はない。

出てきたところで、何か感じるわけでもないが。

居間に入ると、幸子と春菜がテレビドラマに釘付けで、俺が帰ったことには興味もないらしい。

黙って風呂場に向かい、服を脱ぎ捨てる。ほぼ一日、パチンコ屋にいた。煙草の匂いが、これでもかとついた服。

溜め息と共に入浴だ。

自分の中年体型を凝視し、さらに溜め息をつく。みっともないな。

寝る前に、昔の写真を引っ張り出した。俺も昔は、今で言う『イケメン』の部類にいたんだよな。

そうそう。幸子とお似合いのカップルで、うらやましがられてなぁ……。

今でもお似合いだが。
油断しきった、デブ夫婦。

俺はこんな生活を望んでいたっけな……。