二章

2/19
前へ
/58ページ
次へ
ト、ト、トトトトトトト…     「きゅうりを切るの…速いですね」   「…そうかな…」 結局、僕は死神のために、二人分の料理を作っている。料理には自信があるほうだ。   黙々ときゅうりを切る僕。 それを隣でのぞいている、死神。     おかしな構図だが、はた目から見れば…親が旅行に行っている間、家で自分達のご飯を作っている兄妹、と言えばわかりやすいだろう。     もっとも、僕からしてみればこの娘は妹でもなく、僕の親に関しては、考えてはならないような…妙な神秘化を遂げているような存在だ。     ジュウウウゥゥ…       「ん、そろそろ焼けたな」   「楽しみにしておきましょう…」 そういうと死神は、リビングのテーブルのほうに歩いていった。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加