30人が本棚に入れています
本棚に追加
「殺し屋ではありません。私は…死神です。そんなことより…驚かないんですか?トチ狂ったり…『死にたくない』と泣いて懇願しないんですか?」
自称『死神』は言った。
確かに、背中には草を刈るサイズではない鎌が掛けてある。
…しかし、なかなか口が悪いな。
「残念だけど、僕は死ぬことなんか恐くない…。いや、違うな。生きることが、どうでもいいんだ」
「死ぬには、十分な理由ですよ。どんな死に方がいいですか?」
失血死、感電死、溺死、焼死、ショック死、爆死…
多すぎて決められないな…。
まあ、いい。
僕は携帯を見ながら言う。
「悪いけど、学校に行かせてくれないかな。面倒だけど、遅刻はしたくないんだ」
「…わかりました。じゃあ、待ってますね。その間にあなたは、死に方を考えておいてください」
「わかったよ…じゃあ、これでも飲みな」
死神といえど…一応、客なので、午後の紅茶(レモンティー)を出してあげた。
「じゃ、行ってくるよ」
「はい、いってらっしゃい」
最初のコメントを投稿しよう!