一章

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「殺し屋ではありません。私は…死神です。そんなことより…驚かないんですか?トチ狂ったり…『死にたくない』と泣いて懇願しないんですか?」 自称『死神』は言った。 確かに、背中には草を刈るサイズではない鎌が掛けてある。   …しかし、なかなか口が悪いな。     「残念だけど、僕は死ぬことなんか恐くない…。いや、違うな。生きることが、どうでもいいんだ」       「死ぬには、十分な理由ですよ。どんな死に方がいいですか?」       失血死、感電死、溺死、焼死、ショック死、爆死…   多すぎて決められないな…。     まあ、いい。 僕は携帯を見ながら言う。 「悪いけど、学校に行かせてくれないかな。面倒だけど、遅刻はしたくないんだ」         「…わかりました。じゃあ、待ってますね。その間にあなたは、死に方を考えておいてください」     「わかったよ…じゃあ、これでも飲みな」     死神といえど…一応、客なので、午後の紅茶(レモンティー)を出してあげた。             「じゃ、行ってくるよ」     「はい、いってらっしゃい」
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