一章/origin

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魔女の城には、人の住んでいる気配は感じられないし、近隣の住民達にも屋敷の住人を見た者は1人もいない。 だが、その屋敷の庭は荒れることなく、綺麗に保ち続けている。 雑草の処理なども、丁寧にされているようだ。 それでも庭師を見た者は1人もいない。 はじめは市や県の所有物かとも思われたが、そうでもないようだ。 このことは、地域の1つの謎ともされている。 他にも色々な噂話は尽きることなく繰り返されている。 例えば、夜中に光りを見ただとか、窓が開いているのを見ただとか、そういうよくある屋敷系の謎には付き物の噂話だ。 それに興味示し、探索に行こうとする者は何人もいるのだが、今だ内部の体験談などは一つも出ていない。 屋敷内に入れなかったのか―…それとも、語ることができないのか―…。 その不可思議な点から考えて噂が発展して、”あの屋敷には魔女が住んでいる”などという突拍子もない噂までされていた。
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