0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
実際、非日常は限定しなければそこらじゅうに転がっているのかもしれない。
彼氏でも作れば、それがまた非日常になるし、実際楽しいだろう。
しかし、その後にやってくるのは決まって日常でしかないのだった。
―非日常に慣れてしまえば、それは日常と変わらない。
……どこで聞いたんだったっけか。詳しくは忘れたけど、その通りだと思った。
それに、自分がただ望んでいるものを見つけられていない、いや、見ようとしていないだけだとも自覚していた。
日常のグレーゾーンなど、どこにでも存在している。
近頃殺人や誘拐、薬物売買なども多発しているが…志紀が望む非日常は、そこにはなかった。
そして、そんなことに足を踏み入れるほど志紀は罪悪感がない訳でもないし、常識がないわけでもなかった。
最初のコメントを投稿しよう!