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ざわざわざわざわ。
ざわざわざわざわ。
校内は、いつもどおりの想像しい朝の光景を映し出していた。
教室に入り溜息混じりに鞄を机に置くと、けたたましい笑い声の中から一つ抜け出し、自分の元へ歩み寄ってくる少女がいた。
「おっはよーう!何か眠そうだね!」
髪を茶色に染め、パーマをかけ、薄っすらと化粧をした少女…いかにも女子高生といった風貌の少女だった。
彼女の名前は暈羽京香(かさはねきょうか)。志紀の親友とも言える存在だった。
志紀が黒髪ストレート、スッピンという容姿にたいして彼女は対照が際立つ容姿だった。
一見、2人は仲がよさそうには見えないだろう。
―…これも、非日常かな。
志紀は思った、確かに。
自分に相槌を打ち、今日もこの気だるい日常を満喫しようとして、今までの感情は心の奥底に封じ込めた。
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