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白髪交じりの初老といった感じの、担任が険しい表情をして帰りの連絡を始めた。
「あー…お前達に連絡があるんだが、4日前から隣のクラスの女生徒が行方不明だそうだ。まだ何も手立てはついてないらしい。くれぐれも不審者等には気をつけるように。」
担任が話し終えるとともに、生徒達はざわざわと近くの生徒と話し始める。
「え?まじで?」
「行方不明って…本当かよ」
「家出じゃねぇの?」
「……」
そのように生徒達の間で会話が続けられる中、担任は「連絡は以上、何かあればすぐに学校か警察に連絡するように。」
それからは、いつもどおりの下校だった。その行方不明事件は、少年少女達に少しばかりの不安と、興味を齎したくらいでしかなかった。
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