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いつもの教室。
いつもの授業。
でも
一つだけいつもとは違う[今]がある。
凜の前の席。
凜の大親友であり、幼なじみの関係でもある
長沼ひより[ナガヌマヒヨリ]の席だ。
しかし
この席にはある日を境にひよりが座ることはなくなった。
突然だった─────
ひよりが倒れたとの連絡があり、凜は直ぐ様病院へ行ったが、
そこには
元気の無い目で
窓から青い空をみている
ひよりがいた。
「ひよりっ…大丈夫か?」
凜はひよりに駆け寄る。
しかしひよりは
ゆっくりと凜の方に向き
「貴方。誰ですか。」
と、一言いい
また窓の方に顔をむけた。
俺はその場に崩れおちた。
ひよりは
いつもの性格も
いつもの口調も
いつもの笑顔も
消えていて
俺の記憶だけが
俺との記憶だけが
ひよりの頭から
無くなっていた。
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