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「ってかダイチの家って…ここ?!」
ダイチの案内で連れてこられたのは海辺の近くにある老舗の旅館だった。
「そ。俺ん家」
驚く俺をよそに、ダイチは当たり前のように門をくぐり砂利の敷き詰められた庭を歩いていく。
遅れをとらないように辺りをキョロキョロしながら後をついていくずぶ濡れの俺。
完全に場違い…
「な…なぁ…俺なんかが来て大丈夫か?」
一応みんな金払って泊まりに来てるのに、いきなりこんなずぶ濡れの俺を連れてきて大丈夫なのかと不安になった。
「夏は結構客が多くて忙しいんだけどさ、今はほとんどガラガラだから大丈夫だよ。従業員もほとんどいねぇし」
ダイチはそう言いながら振り返った。
「ってかそんな恰好の奴ほっとける程俺は鬼じゃねぇよ」
ニカッと笑ったダイチの顔に、俺も何ともいえない笑みを返した。
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