2/6
前へ
/146ページ
次へ
ありきたりな恋をした。 どこにでも転がってるようなありきたりな恋。 出会って、告白をして、キスをして、触れあって、抱かれて…。 彼が全てだと思ってた。 世界中でたった一人、彼だけが俺の全てだったんだ。 「…恋って何…?愛してるって何なの?」 ぼそりと呟くと、空を見上げた。 俺、水瀬ユウリ。19歳。 本日、フラれました。 理由は至ってシンプルで、また凄くありきたりでもある。 「やっぱり女がいい」 俺は生まれてこのかた男しか愛せない、所謂そういうジャンルというやつで。 まぁ、世間一般的に言うと同性愛者だ。 今まで男の俺が恋をしてきた相手はもちろん、今回フラれた相手も全員男。 別にその恋愛体質(?)を自分の欠点だとか何だとか思った事は一度もない。 逆に俺に寄ってくる男達もそういう恋愛体質だったし…。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加