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「やっぱり女がいい」
元々不安定だった俺の世界は意図も簡単に崩された。
とてもありきたりで、簡単な理由に…。
そして俺は、特に彼を責める事もできずそれを承諾した。
こんな時まであっさりしてしまうとは…。
結構自分でもびっくりした。
フラフラと街をさ迷い歩き、無意識に電車に乗っていた。
特に行き先もなかったから、車窓から見える風景をボ~ッと眺めながら電車に揺られていた。
ふと、トンネルを抜けた先に海が見えた。
水面に揺れる波を近くで見たくなって、駅に降りた。
駅から海までまたとぼとぼと歩き、春先でまだ誰もいない海に着いた。
風がまだ少し冷たいけど、潮風の香りが心地よくて浜辺を歩いた。
沢山積まれた岩場に隙間を見つけ、よじ登ると一層潮風が強さを増した。
そして、かれこれ二時間程そこに座り岩壁を打つ波を見てボ~ッとしている俺。
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