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ミラは長い廊下を歩き始めた
廊下にはいくつもの窓があり、外には眺めのいい景色が広がっている
青空に太陽が輝き、地上の緑はそよ風に吹かれていた
ここは人里離れた場所に位置する施設である
廊下の中にも日光が差し込み、縞模様を描いている
そんな廊下を歩いているミラの背中はどこか悲しい
ミラ以外にもパイロットの候補はたくさんいた
ミラは数少ない才能の持ち主の中から、さらに選ばれた存在だった
選ばれなかった人間は、社会に復帰できる
ミラはそれが羨ましかった
普通に生活したい、普通に生きたい
何度も胸の奥で願ったが、出てくる結論はやはり同じ
個を捨て全に尽くせ、だった
ミラの肩には、大勢の民間人の生活がかかっていた
彼が敵に一度でも敗北すれば、世界の存亡が危うくなる
敵…
つまり宇宙からの侵略者のことだ
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