俺はパイロット

5/25
前へ
/66ページ
次へ
ミラは長い廊下を歩き始めた 廊下にはいくつもの窓があり、外には眺めのいい景色が広がっている 青空に太陽が輝き、地上の緑はそよ風に吹かれていた ここは人里離れた場所に位置する施設である 廊下の中にも日光が差し込み、縞模様を描いている そんな廊下を歩いているミラの背中はどこか悲しい ミラ以外にもパイロットの候補はたくさんいた ミラは数少ない才能の持ち主の中から、さらに選ばれた存在だった 選ばれなかった人間は、社会に復帰できる ミラはそれが羨ましかった 普通に生活したい、普通に生きたい 何度も胸の奥で願ったが、出てくる結論はやはり同じ 個を捨て全に尽くせ、だった ミラの肩には、大勢の民間人の生活がかかっていた 彼が敵に一度でも敗北すれば、世界の存亡が危うくなる 敵… つまり宇宙からの侵略者のことだ
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加