2人が本棚に入れています
本棚に追加
次の週になり、本格的に体育祭練習が始まっていた。
圭吾も最初は、いやいややっていたのに対し、だんだん楽しく練習をやるようになってきていた。
由紀子もクラスの為にと張り切っていた。(だって中学最初で優勝したいじゃない)
それぞれで体育祭練習は異なり、圭吾は体力があるので200M走。
由紀子は50Mハードルの練習をして、コウは運動が苦手なので誰でも参加できる100M走の練習をしていた。
しかし中学校が住宅地の方にあるせいで校庭がとても狭く、この中学校全生徒が一緒に練習するには、かなりハードな環境だったのでコウは嫌気がさしていた。
100Mの走る練習をするにも、レーン上で別の学年が他の練習をしているときがあり、誰でも参加できる100Mと違い、そちらが優先なので100M走の選手の人は全く練習できなかった。
「よーい…ドン!」
100M担当の先生が叫び、次々と選手が走って行ったが、他の学年が練習していたため、レーンからそれて走っていた。
「先生。これじゃあ練習になりません。何とかしてください。」
我慢の限界になったコウは担当の先生に言ったが、先生もどうにも出来ないとばかり言い、普通に練習したいと思っていたコウの想いは儚く消えるばかりだった。
コウの体育祭練習で困ったのはこれだけではなかった。
体育祭にはつきものの、組み体操の練習だった。
運動苦手なコウにとって組み体操は、最悪のプログラムなのだった。
最初のコメントを投稿しよう!