ケンカとゼリー。

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「バカッ」 泣き声の混ざった声とともに、四角いクッションが僕の顔面目がけて飛んできた。それはボフッと音を立てて見事命中した。 足元に落ちたクッションを拾い上げ、僕は彼女に視線を向けた。 「バカはないだろ」 「うるさいっ、あんたなんか嫌いっ!」 目に涙を溜めて僕を睨み付けた彼女は、座っていたソファーから立ち上がり、乱暴にドアを開け、そして乱暴に閉めた。 バタンッという音が、僕1人になったリビングに響いた。 「何だよ、あいつ……」 クッションをソファーに投げる。それはソファーの上でバウンドして、床に落ちた。 それさえも僕のイライラを増加させている。 思い通りに行かない。 彼女と喧嘩したのだ。 原因なんて覚えていないくらい、些細なことだった、と思う。 大体僕と彼女の間で起こる喧嘩は、彼女のワガママか、僕の無神経な言葉だ。 どうやら僕は乙女心が理解できていないらしく、たまに彼女の純粋(?)な心を傷つけてしまう。不本意なのだが。
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