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僕はハァ、と、ため息を1つついて、落ちたクッションをちゃんとソファーに戻すために、そちらへ歩いた。
「今回ばっかりは僕だって謝らないからな」
今ごろ部屋でベッドでグズグズ泣いているであろう彼女に言うように、僕は1人呟いた。
拾い上げ軽く放ったクッションは、今度こそソファーにおさまった。
「何か食べるか」
頭に血が上っているせいか、妙に顔が熱い。水でも何でもいいから冷たいものを口にしたい。
そして、冷蔵庫のあるキッチンに向かう。ちょうど昨日買ったフルーツゼリーがあったはずだ。
そこには丁度二つ並んだゼリーがある。蜜柑と桃。
「私、蜜柑がいい」
ふと、彼女の言葉が脳裏をよぎった。
このゼリーは、昨日彼女が夜中に食べたいと言って、わざわざコンビニまで歩いて買いに行ったものだ。
帰ってきた途端、「眠い」と言って僕も彼女も眠ってしまったが。
2人ともスウェットのままで、健康サンダル履いて最寄りのコンビニに行った。
僕はそのだらしない格好があまり好きではなかったが、彼女と一緒だとなぜか許せた。
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