27/35
前へ
/1321ページ
次へ
平助と左之助は、食い入るように歳三を見てうなずいている。 「さすがに二人で屯所内に隠れるのは無理だ。 だから、あいつらは多分屯所の外に逃げてるだろう。 京の町は広い。」 「…いくら総司でも、ましてや冷静さを欠いてる今の状態じゃ探せっこ無ぇよ。」 歳三の言葉を継いで、息を整えた新八が喋る。 一は何も言わずに何か考えている。 「…でも、こんな時間だし、どこに隠れるの?」 「さすがに真生に野宿は可哀想だぜ?」 既に夜は更けきっていて、開いている店といったら島原ぐらいのものだ。 さすがに女連れでは行きにくい。
/1321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7076人が本棚に入れています
本棚に追加