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暫し待っていると色白の華奢な青年が現れ、柔らかく微笑むと真生に近寄って来た。 用件を聞かれたので女中希望の旨を告げ、頭一つ分背の高い彼を見上げながら、どうすればいいか問い掛けた。 不安気に佇む真生をじっと見つめ、それなら面接をするから付いて来いと先に立って歩き出す。 剣客集団という新撰組の印象からはおよそ掛け離れた細身な体格が、荒くれ者の集まる場所だと聞いていた彼女を困惑させた。 「僕はここで一番隊組長をやってる沖田 総司。 よろしくね。」 向こうから名を告げられたので、隣を歩きつつ真生も慌てて自己紹介をする。
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