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総司が中に向かって呼び掛けると、低く短い返事で入室を許可された。
室内では男が一人、文机に寄り掛かりながら真生を上から下まで一瞥する。
「俺はここで副長をやってる土方歳三だ。
お前ぇの名は?」
何か気に入らない事でもあるのか眉間に深く皺を刻み、底光りする涼やかな目で睨み付けた。
なまじ顔が整っている分、それは一層迫力を増す。
「えっと、名前は咲哉真生です。
家事は一通り出来ますので、どうか雇って下さいっ。」
一息で捲し立て、冷たい視線に怯えつつも腰を折り曲げ歳三の反応を待った。
緊張から汗ばむ手で着物を握り締める。
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