長い夢

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まっすぐ進んで行くと やがて下り坂になり 私は丘の上に居たのだと 知りました 綺麗な空気と 初夏のような日差しに 心が軽くなり 自然に早足になりました やがて街並みが現れて 『何処に行ってたの?心配してたのよ』 頭につばの大きな帽子を被り 真っ白なエプロンを掛けて 見た事もないような キラキラ光る丸い果物を 沢山入れた籠を 大切そうに抱えた 少しふくよかな女の人は そう言って優しく笑って 籠の中から果物を取り出して 私の手のひらに のせてくれました
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